2月8日の初庚申の日、八坂庚申堂の「庚申まいり」に行ってまいりました。
八坂庚申堂は、正式には「大黒山金剛寺庚申堂」といい、
日本三大庚申、また京洛三庚申のひとつです。
庚申とは、庚(かのえ)申(さる)の日のことで、
その日の夜には人間の中にいる三尺の虫が寝ている間に抜け出して、
天帝に人間の行った悪行を告げ口に行くそうです。^-^;
この三尺の虫は人間が寝ている間にしか抜け出せないので、
この日は徹夜をする…これを庚申待ちと言うそうです。
ご本尊は「青面金剛」
青面金剛(しょうめんこんごう)は人を喰う夜叉の姿で現れ、
悪人を食らい、善人は食わないとされています。
そして青面金剛は三尺の虫を喰ってしまうので、いつの頃からか、
庚申待ちにはこの青面金剛をご本尊とするようになり、
庚申=青面金剛となっていたそうな。
庚申さんのお使い、三猿。
見ざる
聞かざる
言わざる
石灯籠にも三猿…。言わざる。
見ざる。
聞かざる。
屋根の上にも三猿。
屋根の下にも三猿。
山門の上にも三猿。
いたるところに庚申さんのお使い猿さんは居ました。^-^
八坂庚申堂の開基は「浄蔵貴所」
学問、声明、文学にも秀で、霊験無双の修験者でもあったそうです。
死んだ父親を復活させたり、
八坂の塔が傾いた時になおしたという伝説が残っています。
祇園祭では「山伏山」の主役だそうです。
ちなみに、八坂庚申堂の前から撮った八坂の塔。
こちらはくくり猿。
くくり猿は人間の中にある欲望が動かないように
庚申さんによって、手足をくくりつけられているそうです。
くくり猿に願いを託して、それをかなえる秘訣は
欲をひとつ我慢することなんですって。
さて、庚申さんの日には、蒟蒻焚きをされています。
開祖浄蔵貴所大法師さまが、庚申尊の霊示を受け、
庶民の病を療治するのに、蒟蒻を以てしたのが由来のようです。
蒟蒻もくくり猿さんの形。
この蒟蒻を3つ、北に向いて庚申尊を念じながら無言で食しました。^-^
白梅がほころんでいました。
ほのかに甘い香り。
2016年度の庚申さんは
4月8日、6月7日、8月6日、10月5日、そして納庚申が12月4日です。
この日はご祈祷、蒟蒻焚きが、午前9時から午後9時頃まで行われています。
八坂庚申堂のご近所の軒先には、こうして五連のくくり猿が飾られていました。^-^
(授与品)
三猿の置物。
そして、くくり猿も。
これで少しは欲をコントロール出来るかしらん…。^-^
<関連エントリー>
京洛三庚申のひとつ、
猿田彦神社については「京の小径」のほうに記しています。