先週訪れた詩仙堂の続きです。
「詩仙の間」から見えた赤い実は「万両」でした。
「万両」はヤブコウジ科の植物。
そしてこれは池のほとり、柿の木のもとにあった「千両」。
「千両」は、仙蓼とも書き、センリョウ科の植物。
木陰の苔の上に、小さな赤い実をつけている丈が20センチほどの小さな植物が
群生していました。
さくらんぼみたいに二つ、ちょこんと実がなっています。
名前がわからなかったので、これまた詩仙堂の方にたずねてみました。
これがじつはヤブコウジ(藪柑子)自身で、別名「十両」と言うのだそうです。
(名前のとおり、もちろんヤブコウジ科)
そして、赤い実は「一、十、百、千、万両」とあるのだと教えていただきました。
「もうほとんど実を落としてしまったけれど、
ひとつだけまだ実をつけてる百両がありますのや。」と教えてもらい、
再びお庭に探しに行きました。
なかなか見つけられなくて、なかばあきらめかけたとき、
他の葉のかげになった目立たないところにある「百両」をやっと見つけました♪
正式名は「カラタチバナ(唐橘)」
これもヤブコウジ科なので、十両や万両たちと親せきです。
百両は葉っぱがすっと細長いのが特徴なのだそうです。
というわけで、一両以外の縁起のいい赤い実が詩仙堂にはそろっていました♪
ちなみに一両は正式名を「アリドオシ(蟻通し)といい、
アカネ科の植物なのだそうです。
南天の赤い実もありました。^-^
ムラサキシキブもあります。
柿も実っていました。
これはボケ(木瓜)の実かな? 面白い実の付き方をしますね。
残月軒。この茶室は1950年代に庭園が拡張された際に作られたもの。
手洗い所の手水鉢ひとつにしても、趣がありますね。
この辺りは奥まっていますから、きっと拡張されたお庭の辺りなのでしょう。
私が行ったときにはまだ青々としていましたが、
1週間経って、そろそろ色づいたかしら?
秋晴れの空。
詩仙堂はこの「僧都(そうず)」いわゆる鹿おどしの音なくして語れません。
コーン!という音が、静かなお庭に響き渡ります。
唯一、僧都(添水)の前のもみじだけが色づいていました。
さつきの上にはらりと落ちていたもみじ。
帰ろうとしたら、赤とんぼに出会いました。
竹林の道を通って帰ります。
(覚え書き)
石山丈山は天正十一年(1583年)三河の国の生まれ。
石山家は代々徳川譜代の臣で、丈山も十六歳で家康公に仕えます。
三十三歳の時に大坂夏の陣で功名を立てましたが、その後、徳川家を離れます。
五十九歳で、ここ、詩仙堂を造営。
のち三十余年をこの地で過ごしました。(九十歳で没)
漢詩、儒学、書道、茶道、庭園設計に精通、
そして「煎茶の祖」とも言われています。
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