瑠璃光院の続きです。
さて、写経を終えた後、2階から1階へと降りてまいりました。
縁側からおりる石段の向こうには、苔とモミジのお庭が広がります。
ここは「瑠璃の庭」。瑠璃光院の名の由来にもなったお庭です。
ある気象条件が整うと、深々とした苔が光を放ち、
庭に瑠璃光浄土があらわれるらしいです。
2階の窓からはお庭を俯瞰してながめましたが、
1階では、ここに座って、お菓子とお抹茶をいただきながらながめました。
曇りの日には、奥の石はかすかに緑を映して暗く光っている感じがします。
そして晴れの日。青モミジからの木漏れ日が
苔と石に反射して、明るい光に照らし出されたような感じになっています。
苔の上には、もみじと木漏れ日が作り出す光と影。
よぉく見ると、苔の影の部分に白い泡のようなものが小さくぽつんと…。
ズームしてみたら、モリアオガエルの卵でした。(ちょっと小さい)^-^
部屋の奥から西側のながめ。
お庭の奥。さまざまな緑色が庭の奥行きをあらわします。
ここに植わっているもみじは、この庭を造るにあたって植えたものではなく
もともとあったのを利用したのだそうです。
両側におおきな葉っぱのもみじがあり、その間にいろはもみじが植わっています。
西側の縁側からみた様子。
ちょっと暗い部屋の奥から見ると、緑がとても眩しく映ります。
お庭には何種類もの苔があり、季節により主流となる苔が違うらしいのです。
今は少し茶色っぽい色の苔が勢力をのばし、
もう少しすると濃い緑の苔が勢力をのばすとのこと。
万両の赤い実がひとつだけぼつんと残っていました。
小さな小さな川にも、さまざまな世界が広がっています。
ユキノシタがこっそり咲いていました。
(おまけ)
日曜日に行ったときには、大納言の氷室。
平日に行ったときには、手亡の氷室でした。
ここ八瀬は夏でも涼しく、かつては「氷室」があったそうです。
お抹茶をいただいてゆっくりとお庭をながめていたら、
もみじの葉っぱにカワトンボが止まっているのが見えました。
(おまけ)その2
八瀬のかま風呂。
「八瀬(やせ)」は「矢背」とも記されるように、
その昔、壬申の乱で矢傷を負った大海人皇子(天武天皇)が
ここ八瀬の竃風呂で傷を癒されたことから、
いにしえより貴族や武家たちに「やすらぎの郷」として愛されてきた地だそうです。
竃風呂の壁はしっくいで、中をあたためるのに3日かかるとか。
今は天井にいくつか穴があいていて、そこから蒸気をいれて温めるらしいのですが、
昔は写真のようにアオキを燃して取り出し、温めたのだそう。
和尚さまに「どうぞ、実際に中で寝転がってみてください」とすすめられたので、
横になってみました。^-^(あたたまってはないけれど。)
ちょっと貴族になった気分…笑。
陶器の枕がなんだか気持ちよかったです。
長くなったので、瑠璃光院-その4-に続きます。
<関連エントリー>